六嶽山 明福寺
(北部)
鞍手町新北1061
 
 県道29号直方宗像線(かつての赤間街道)沿いに面して山門があり、新しく美しい甍がそびえています。
 寺の起こりは、疫病が流行っていたところへ通りかかった医を生業とする高木亦右衛門直勝(のちに僧侶となる)が、薬師如来を一刀彫りし、御堂を創りご本尊としてこの地にとどまったことに始まります。後に火事で寺領はなくしますが薬師如来さまは村人が持ち出し、現在も町の重要文化財となって現存しています。見せて戴いた古文書の中に1576年(天正3年)の薬の処方箋等ありました。今から約400年前現在地に堂を移し、4代目の時、真言宗から浄土真宗に改宗され、現住職は真宗15代目になられます。年4回の御法座の前には総代をはじめ、門信徒男子部、壮年会、婦人会の方々が仏具磨きと前日の掃除の念仏奉仕をなさいますし、毎年の花祭りには子供を中心に婦人会の方々が持ってこられた花で花御堂を作り、持ち寄られた料理で楽しい花まつりになるそうです。住職は門信徒のおかげで護持されていますと感謝されていました。師走というのに、ゆったりとしたひと時を過ごさせて戴きました。
 
訪問者 中村 幸代(圓徳寺)
 
※鞍手組門推だより『さんが』「お寺を訪ねて」より